2014年2月23日

It's members only tonight

大倉山でのライブの翌日、ディープ・フライ・ザ・ブルースバンドの演奏を聴くために、横浜馬車道のキングズ・バーで行われている「横浜ブルースパッケージ」へ行って来た。


ディープ・フライの演奏を聴くのは久し振りだなぁと思っていたら、メンバーが顔を揃えるのが今年始めてだそうで、先ほど新年の挨拶を済ませた所だとか。

不思議な話だけれど、何だか随分久し振りに松尾さんのギターを聴いたような気がした。

井上さんや松尾さんとは、戸塚バンドで一緒に演奏していて聞き慣れているのではないかと思うかも知れないけれど、やはりバンドが違うと出て来る音は違う。

僕が戸塚バンドで演る時と山家バンドで演る時は、同じ曲を演奏しても弾き方が違っているように、井上さんや松尾さんも「ディープ・フライで演奏する時のスタイル」というものを確実に持っていて、それは、どちらがいいとか悪いとか言うのではなく、一緒に演奏する相手によって、あるいは同じ相手であってもその日の相手の演奏内容に合わせて、自分のスタイルを変えて行けるということが、いい演奏者の条件なんだと思う。

僕に取っては、ディープ・フライ・ザ・ブルースバンドという、スリーピースのバンドの中での松尾さんの演奏は久し振りだったのだ。

どんなメンバーと演ろうと、全く同じ演奏しかしない人も居るけどね(^^;

天本さんが自分達のことを「あまりブルースを演奏しなくなったブルース・バンド」と言っていたけれど、僕はディープ・フライのバラード系の曲も好きで、今日も Members Only を聴けたので満足。
実は最近、色々な人のバージョンを聴いて研究している Just the Two of Us も聴きたかったのだけれど・・・また今度、お願いします。

2014年2月22日

Gentle Dog in Muddy's

大倉山「マディーズ」で、GENTLE DOGのライブだった。


今日は、ハープの鈴木司さんが都合が付かなかったので、この5人編成。
「マディーズ」の店名は何度か耳にしていたのだけれど出演するのは初めてで、想像していたより少し小さめだったけれど、雰囲気のある、いい感じのハコだった。

4バンドのブッキングということと、店が「駅から徒歩30秒」ということで、僕はアンプ類の持ち込みはせず、ハモンドを背負って電車での遠征。
この「電車で行ける」という機動性は、本当に便利で癖になりそうだ。

 The Thrill Is Gone
 Hoochie Coochie Man
 Home Work
 Take Me To The River
 I Got Dreams To Remember
 Sick And Tired
 Same Old Blues
 I'm Ready
 Stormy Monday Blues

僕は、今回も「Sick And Tired」と「Same Old Blues」以外はハモンド音で演奏。
前回よりもグリッサンドがいい感じで決まるようになり、だんだんハモンドらしくなって来た気がする。

ギターの小林さんがボトル・ネックでのスライドを多用した奏法だったので、僕のハモンドともともに、ロックっぽい、いいサウンドが出せたと思う。

今回は、対バンも実力者揃いという感じで楽しめたし、3000円でfree foods, free drinkというシステムも、パーティーみたいな感じで楽しかった。

僕も電車ということで、久しぶりにビールも飲んだし、対バンからも刺激を貰ったし、色々な意味で、久しぶりにブッキング・ライブにしては珍しく楽しい夜だった気がする。
また機会があったら、是非出てみたいお店だった。

2014年2月19日

Dr.Harukiのハモンド講座(その2)

前回の講座で、「ハモンド・オルガンは人間が音程として捉えられる範囲を越えて音が出ることになる」と書いた。
どういうことなのか説明するために、まず「音の高さ」について、最近出番のないヤマハCPの写真を使って説明しよう。


一番左の鍵盤は[ラ]で、これをA0と呼ぶ。その右の[シ]がB0だ。
3番目の白鍵が[ド]で、ここからC1,D1,E1・・・と続く。
次のオクターブがC2,D2,E2・・・で、ピアノの最高音はC8だ。

人間が音程として捉えられる範囲は、このA0~C8くらいだと言われている。
実際、ピアノの一番高いオクターブでメロディーを弾いてもよく聴き取れない。

ベースの開放弦はこの音。(ピアノの低音はベースよりも低い)


ギターの開放弦はこんな感じ。
 

1弦22フレットをチョーキングして出る最高音がE6くらい。
ピアノは更にその上に2オクターブくらいある。

A0~C8がどのくらいの音なのか実感して貰えたと思うが、さて、ハモンド・オルガンはと言うと、基準音の8フィートのバーがC2~C7なので、下図の青の部分となる。


前回説明したように、4フィートのドローバーを引き出して出る音はそのオクターブ上なので緑色の部分,2フィートは2オクターブ上なので黄色の部分,1フィートは3オクターブ上の赤色の部分となる筈だ。
もしそうだとすると、図のように、ハモンドの音域は理論上はピアノの最高音(人間が音程として捉えられる範囲)を2オクターブも越えていることになる。

さて、ここからが本題で、実際にはどんな音が出るのか実験してみよう。

4フィートのバーだけ引いて、一番左の[ド]から順番に音階を弾いてみると、ちゃんと8フィートの1オクターブ上の音で音階が鳴る。
一番右の鍵盤を弾いて出る音はピアノの最高音と同じC8ということになる。

今度は2フィートのバーだけ引いて、一番左の[ド]から順番に弾いてみる。
8フィートの2オクターブ上なので、一番右の[ド]のオクターブ下の[ド]を弾いた時に、すでに最高音のC8が出ている。
この先に進んでも(つまりピアノの最高音を越えても)ちゃんと音程が出る。

ところが、[ソ]の所で異変が起こる。何と、急に音が1オクターブ下がるのだ。
楽譜で書くとこんな感じだ。


これはハモンドが故障しているのではなく、「ある高さを越えると1オクターブ下の音が鳴る」という仕組みになっているのだ。
これをフォールドバック(折り返し)と呼ぶ。

1フィートで試すと、2フィートの時よりオクターブ低いGでフォールドバックし、その先のGでもう一度フォールドバックする。
こんな感じになる。


ハモンドというのはF#8が最高音で、それを越えた音はオクターブ下の音が出る仕組みになっている。
低音についても同様で、16フィートは下オクターブがフォールドバックして、1オクターブ上の音が出る仕組みだ。
これは、「人間の耳に聞こえない音」を出す代わりに、「聞こえる」音を出してやることで、高音が薄くなるのを防ぎ、低音を引き締める役割をしているのだ。

このフォールドバックの仕組みはハモンド独特のものだ。
VK8やSK1は、ハモンドを再現した楽器なので、当然フォールドバック機能を持っているが、シンセのハモンド音や、スピネット・オルガン(鍵盤数の少ない2段鍵盤の家庭用ハモンド)にこの機能はない。

シンセで「ドローバー全部出し」のプリセットで演奏をしていると、高音部になると急に音が薄くなるという現象が発生する。
たとえて言うと、3人がユニゾンで歌っていて、1人が高い音で声が出なくなったので歌うのをやめてしまって2人で歌っているという状態だ。
フォールドバックの方は、声が出なくなったらオクターブ下げて歌い続けるという方法なので、3人分という音の厚みは変わらないという訳だ。

実際には2フィートや1フィートだけを引き出して演奏することはなく、下の方のフォールドバックしないドローバーと一緒に鳴らすので、よほど注意深く聞いていない限り「あっ、今フォールドバックしたな」と気付くことはない。
ハモンド(クローン・ホイール)を持っている人の中でも、フォールドバックを知らない人がいたりするのは、フォールドバックというのが、弾いている人にさえそれを気付かせないくらい自然な仕組みだということだ。

前回に引き続き、ハモンドは他の楽器にはない独特の仕掛けを持っている楽器だということが解って頂けただろうか?

次回は、鍵盤を弾いた時に鳴る「コン」という音について解説する。(えっ!まだ次回があるのか?)

2014年2月16日

アコースティックな昼下がり

先週、「記録のため」ということで土曜日の写真を載せた。
今週も同じアングルの金曜の夜の写真を。


何だか、先週より大変なことになっている気がする・・・。

この2日後の日曜日、山家さんと戸塚さんが、平塚のレストランでアコースティック・ライブを行うというので、まさちゃんとふたりで電車に乗って行って来た。


「DOREMI」は、街角にひっそりと佇む、小さな可愛らしいレストランだった。
音響設備などはないので、山家さんはPA持ち込み。
小さな店なので、PAは要らないくらいなのだけれど、それでは格好が付かないので、という飾り程度のPAだ。

最初に山家さんがソロで歌い、戸塚さんが加わって何曲か歌う。


お客さんも身内だけなので、美味しい料理を分け合って食べたりしながら、ゆる~い感じで、ほのぼのとライブが進行する。

山家さんは、生ギター1本という厳しい制約の中で、色々なジャンルの曲に敢えて挑戦しているように思えた。
僕は山家さんのパフォーマンスを聴きながら、それを素材として捉え、その不充分な音の行間を読む感じで、「バンドでやった時の音」を頭の中で鳴らしていた。

尾上さんがアコのベースを弾き、スヤスさんがスネアとハイハットをブラシで叩き、僕がアップライト・ピアノを弾けば、いい感じの音になるのではないか・・・

そんなことを夢想しながら、ゆっくりと過ぎていく日曜の昼下がりなのでした。

2014年2月9日

雪のレイン

これは土曜日の写真だけれど、後で読み返した時に「ああ、こんな日だった」と思い出せるように、記録として載せておきます。



大雪の降り続いた翌日の日曜は、平塚「レイン」で戸塚憲吉&ブルースフレンズのライブだった。
幹線道路は除雪が進んでいたとは言え16年振りの大雪ということで、僕は車での移動は諦め、先日買った「世界最小のハモンド」を担いで電車で行くことにした。
よもや、HAMMOND-SK1の可搬性がこんなに早く役に立つとは思わなかった。

実は今日はドラムの井上さんがインフルエンザでお休みのため、「アナザー戸塚バンド」である「GENTLE DOG」の倉重さんが入ったこんな編成。


「ブルースフレンズ」の井上さんが倉重さんに変わっただけなのか、「GENTLE DOG」の小林さんが松尾さんに変わっただけなのか、一体どっちなんだという突っ込みはさて置き、倉重さんは最近買ったというドラムセットを持ち込んでの演奏、僕も戸塚バンドで初のハモンド1本勝負ということで気合いが入る。

 The Thrill Is Gone
 Feel So Bad
 Crosscut Saw
 I Got A Mind To Give Up Living
 Home Work
 Key To The Highway

 I'm Ready
 Take Me To The River
 I Got Dreams To Remember
 Hold On I'm Coming
 I Don't Go For That
 Sick And Tired
 Same Old Blues
 Hoochie Coochie Man
 Got My Mojo Workin'

山家バンドの時は HAMMOND-SK1の色々な音を使ったのだけれど、今日は Sick And Tired と Same Old Blues の2曲以外はすべてハモンド音で通した。
やはりブルースにはハモンドが合う。

メンバーにもお客さんにもハモンド音は好評だったし、弾いていて自分で聞き惚れてしまうようないい音だったのだけれど、当然、生ピアノ音やローズ音の時とは奏法が全く違って来る訳で、ドローバーのセッテイングとか、ロータリーのスピード切り替えとか、パーカッションのオン・オフとか、それなりに工夫したつもりではあったけれど、もっともっと「ハモンドらしい」奏法を勉強する必要があるなぁと感じた。

還暦にして新たな挑戦と言うとカッコ良すぎるけれど、改めて、「今までオマケ的に使うだけだったけれど、ハモンドという楽器に真剣に向き合わなきゃ」というようなワクワク感を久しぶりに感じた夜だった。

2014年2月7日

ブログ引っ越し

LOVELOG(ラヴログ)がブログ・サービスを終了するということなので、ブログを引っ越しました。

まだ2月なので、今年の分からこちらに書き直しました。
お手数ですが、ブックマーク,リンクの変更をお願い致します。

yaplog!(ヤプログ)でブログを始めたのが2008年11月、その後2010年にLOVELOG(ラヴログ)に引っ越し、「Dr.Harukiの鍵盤日記」も7年目になりました。
ヤプログ,ラヴログの時と同様、こちらもよろしくお願い致します。

ヤプログの方は今でも昔の記事が読めますが、ラヴログの方は見れなくなってしまうそうなので、4年分の記事はまた別の所へ移行しようと思っています。

4年前に引っ越した時、記念に昔の写真を公開したので今回も(^^;


「80.11.22」という日付が入っているので、今から33年前ですね。
演奏しているのはジャズ・ブルースです。
ブルース好きなのは、33年前と変わってません。(笑)

2014年2月2日

I say it's fine to be 60



誕生日の1日前の日曜日、子供達や孫が集まって還暦のお祝いをしてくれた。

まさちゃんが仕組んでくれたサプライズで、ケーキを食べた後、こんな豪華な食事も用意されていた。


何か書こうとすると、とても平凡なことになってしまいそうなので、今日はあまり語るのはやめて、僕の愛聴盤のひとつ、竹内まりやの「人生の扉」の歌詞を引用するにとどめよう。

  ひとつひとつ 人生の扉を開けては 感じるその重さ
  ひとりひとり 愛する人たちのために 生きてゆきたいよ

  I say it's fine to be 60
  You say it's alright to be 70
  And they say still good to be 80
  But I'll maybe live over 90

  君のデニムの青が 褪せてゆくほど 味わい増すように
  長い旅路の果てに 輝く何かが 誰にでもあるさ


僕は大還暦(120歳)まで生きるのが目標なので、まだ、ようやく折り返し地点という感じです。

まさちゃんからは、楽器屋で見つけてくれた可愛い「ミニ・カホン」を、子供達からは、こんな素敵なプレゼントを貰いました。


ありがとう(^^)

2014年2月1日

ミュージアムのはしご

去年「みなとみらい」にできた施設「オービイー横浜」へ、まさちゃんと行って来た。

『人類が始めて体感する地球。大自然超体感ミュージアム』という宣伝文句なので、それは一度見て置かなければということだったのだ。


館内には8つのエキシビジョン(上の写真はそのひとつ)があり、入館すると自由に見て回れる。
そして、この施設のメインは「シアター23.4」というスクリーンで上映される映像なのだけれど・・・・。

『幅40m×高さ8mのスクリーン』というのは、確かに映画館よりちょっと大きいかも知れないけれど、肝心のコンテンツが、スクリーンを分割したり、スクリーンの一部だけを使ったりする画面が多く、せっかくのスクリーンの大きさを生かし切れていない気がした。
『人類が始めて体感する』と言われても、IMAXシアターやプラネタリウムを使った全方位映像をさんざん見て来た我々にとっては、驚くほどの新鮮味はあまりない。

エキシビジョンの方もいまひとつで、『-20℃の世界を体験』とかも普通に遊園地にあるアイス・ワールドの方が寒いし、『昆虫の世界を体験するウォークスルー』に至っては、「お化け屋敷か!」と突っ込みを入れたくなるほど・・・・・・少し、う~んな感じではありました。

で、気を取り直して、高島町にある「原鉄道模型博物館」へ。

こちらも一度行きたかった施設だ。
原信太郎氏が製作・所蔵している膨大な鉄道模型を展示してある博物館で、ここのメインは、なんと言って1番ゲージの鉄道模型が走る巨大なジオラマだ。


1番ゲージというのは、実際に目にすると相当でかい。
大きいので細部に至るまでリアルに再現されている気がする。


実際の鉄道と同じように車輪や線路が鉄で作られているので走行音がリアルで、架線から電気を取って走るというこだわりの鉄道模型が、朝から昼・夜へと照明が切り替わるジオラマを走っている様は、何時間も飽きずに見ていれそうでした。

特別「てっちゃん」ではない僕がそうなのだから、マニアの人にとってはたまらない場所なんだろうなぁ・・・。

そんな訳で、企業が作った「最新型」ミュージアムと、一個人が築き上げた感動の展示を梯子した1日なのでした。